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後藤幸浩のブログ「薩摩琵琶 後藤幸浩の "琵琶法師、音楽流浪"」

水島結子のブログ「日々薩摩琵琶でびわびわしたい」

後藤幸浩の演奏後記


2016年12月年末

琵琶デュオのニュー・アルバム『二人囃子』、製品になりました!歌詞の文字数が多く、古語も多いので校正に手間取りましたが、おかげさまでシッカリした内容になったと思っております。

ド古典で激しさと祈りに充ちた『那須与一』。

中世の歌集 “閑吟集” からの恋歌を歌謡性豊かに節付けした「逢瀬」。

熊本に伝わる元祖琵琶法師の伝説を、万葉から現代、方言も交えたさまざまな言葉、多彩な節付けで構成した「天夜の皇子」。

明治時代、琵琶の本質に迫った詩作を遺した詩人・北村透谷の「弾琴」。

の4曲です。

録音は江戸前レコーディングスさん。デザインは大内弘子さん。着付けは森町章子さん。いつものスタッフの方々です。写真は以前、アー写などを撮って頂いた大槻茂さんにお願いしました。

 

 

発売元のSTUDIO WEE は、某有名音楽雑誌の編集長経験のある、後藤も原稿関係で大変お世話になった方のレーベルです。
正式発売日は2017年2月11日ですが、ライヴ会場、琵琶デュオのホームページでの先行発売は行いますので、是非、宜しくお願い申し上げます!

◆1/21(土) 麻生八咫さんの活弁伴奏 @chto-shan亭
◆2/3 (金) 「物狂之会」…トマツタカヒロ(肉態表現)×後藤幸浩×水島結子 @茶会記
◆2/4 (土) 弦城会おさらい会 @目白庭園
◆2/25 (土) 国立NO TRUNKS…『二人囃子』レコ発

◆4/30 (日) 上野の森美術館
◆6/3 (土) 木馬亭…『Yuiko Mizushima and The  Biwa Insutitution』レコ発

レコ発、のんびりしたスケジュールですが、ロック、ジャズ系のレコ発とは若干異なりますので、じっくりやります。宜しくお願い申し上げます(´▽`)ノ どの会場でもCDは販売させていただきますm(_ _)mm(_ _)m


2016年11月15日「神楽坂まち舞台」、11月23日「第一回浅草倍音フェス!」


さまざまな伝統芸能を楽しめる企画に二つ、参加しました。
 『神楽坂まち舞台』はここ数年、連続して参加させて頂いている企画。情緒溢れる神楽坂の街で、二日間、さまざまな伝統芸能を、無料で!楽しめる企画です。
 琵琶デュオは毘沙門天内に設けられた特設ステージ=講釈場と、街角ライヴの二カ所で演奏。講釈場では平家物語より「那須与一」を。昨年同様、口上もはさんだヴァージョンを聞いて頂きました。もうすぐ製品も出来上がる、琵琶デュオのセカンド・アルバムにも収録されています。請うご期待、宜しくお願い申し上げます!街角ライヴはストリートに出ての演奏。「うたえやうたえ」「波の下にも」「五木の子守唄」とおなじみの曲をガツンとやりました。所謂投げ銭、喜捨も予想以上に頂き、ほんとうにありがたかったです。
 『浅草倍音フェス』は浪曲師、東家孝太郎氏の企画。日本の、弦楽器を伴った語り、歌には“サワリ”効果を筆頭として素晴らしい倍音成分が溢れています。それを浪曲=東家孝太郎(曲師=水乃金魚)、新内浄瑠璃=柳家小春、薩摩琵琶=琵琶デュオ、ホーメイ=カムヒビKING、の共演で体験して頂こうというもの。
 東家孝太郎氏の、ホーメイも的確に取り込んだ、モンゴル人力士のネタは独特、間違いなく孝太郎氏にしか出来ないもの。音楽系出身なので、浪曲の節がどういう音程・構成になっているのかもじつに良く伝わってきました。浪曲の節について思っていたことが、もろもろスッキリした感じです。

 小春さんは三味線の弾き語り。この、三味線弾き語りで場に挑む方が最近はほんとうに少なくなった。艶のある節回しと三味線の繊細な音色の相互作用で豊かな音場が醸し出される。小春さんもじつに“音楽的”な方で、さまざまなセッションも重ねられています。孝太郎氏同様、節の“音楽的”面白さがじつによく伝わってきました。

 琵琶デュオは「般若心経」「信徳丸」「五木の子守唄」を演奏。孝太郎氏にもガツンといく演目をお願いします、と楽屋でも言っていただいたのでアゲ気味の演目に。やってて改めて気付いたのは、平曲は除いて、語り系の琵琶ってやはり九州ルーツで、江戸系の芸とは違う持ち味のものなんだということでしたw。しっとり系の曲ももちろんあるんですけどねw。

 カムヒビKINGは、喉声=ホーメイを軸にした歌・コーラス、オープン・チューニング主体のアクースティック・ギターによるデュオ。変な言い方ですが、C.S.N&Yやジョニ・ミッチェルにアジアの倍音テイストを大幅に加味した耳ウロコのデュオです。歌詞は日本語で、言葉遊び的な部分もあったり、口琴もまじえたり、インドの古典音楽をネタにした曲もあったり…かなりコアな内容なんですが、エンタテインメントとして成立しているのが素晴らしい!

カムヒビKING、琵琶デュオの第一回上野の森美術館ライヴのゲストで来て頂きました。そしてカムヒビKINGの岡山守治氏は、じつは東家孝太郎氏なのです(笑)。岡山氏はホーメイと浪曲の発声の共通点に惹かれ、自分の足許の芸能である浪曲に入門、現在の活動に至っています。浪曲修行中はカムヒビKINGの活動は休止、相方の青山雅明さんも岡山さんの年季明けを待たれていたそう。これからはさらに発展して行きそうで楽しみです。

この芸にはこちらの芸には無いテイストがある、あるいはその逆だったり、また、各芸に共通するテイストもある…いろんな楽しみ方が出来る企画です。日本の弦楽器は倍音成分を軸に、語り・歌の声とともに生きてきました。その再確認も出来た企画です。ぜひ続編を期待!満員のお客様、舞台・音響・受付・物販などていねいなお手伝い頂いたスタッフの皆様、ほんとうにありがとうございました!


2016年11月3日『物狂之会 第一回』、11月5日『戦争と琵琶 Vol.4』

11/3『物狂之会 第一回』、11/5『戦争と琵琶 Vol.4』、無事終了いたしました。

 

“肉態表現”のトマツタカヒロ氏と立ち上げた“物狂之会”。旗揚げの今回は、平家物語「木曽最期」、会の名前の由来になった、薩摩琵琶の古曲「物狂い」を、肉態表現×薩摩琵琶弾き語りでどこまで濃密に表出できるかに挑戦。

 

個人的にはほぼイメージどおりの内容になった、と満足しておりますw。トマツ氏は狂気から悲哀、滑稽さまで、物語・歌の背後に潜んださまざまな要素をまさに体現、ほんとうに凄かったです(´▽`)ノ 

 

人、あるいは人形の動きと和楽器演奏の組み合わせはある意味伝統的な在り方。その伝統の更新を今後も続けて行きます。次回は水島さんも参加予定。

 

キッドアイラックホールは年内で閉館。何回か公演、ライヴを見に行ったことはありましたが、出演したのははじめて。じつに音を出しやすく、琵琶にもぴったりの空間でした…残念ですが、常に出演されていた方はもっといろんな思いがあるでしょう。照明はホールの早川誠司さんにやっていただきました。ほんとうにありがとうございました!

 

……

 

『戦争と琵琶』は早くも4回目。今回は日清・日露期の薩摩琵琶の題材「黄海の大捷」「日本海海戦」「別れの国家」「乃木大将」を演奏。薩摩琵琶は明治時代に東京へ進出後、薩摩藩時代に行われていた演目から大きく変貌を遂げ大流行。四演目は結構ハードでしたが、やはり、実演してみないとわからないことは多い。少しづつ、薩摩藩時代→明治時代への薩摩琵琶の変貌のキモの部分がみえてきたように思います。来年もさまざまな場所で発表していく予定。

 

ぼくは節付けなど音楽的側面の担当ですが、もろもろ調査し資料も作り解説もやり演奏も…の水島さんは相方ながら、ほんとに頭が下がる思い。稀有な演奏家ですよ(´▽`)

 

今回も辻田真佐憲さんをお招きし、解説をいただきました。簡潔ながら情報量も多く、淀みない解説はいつもながら感心することしきりです。全体のスムースな進行は氏の力による部分が大きいです。

 

会場のアミューズミュージアムは毎回舞台、楽屋他、ていねいにフォロウしていただき気持ちよく演奏できています。また、KARAKURI RECORDS の方々にもいろいろお手伝いいただきました、ありがとうございました!


2016年7月11日(日)@浅草アミューズミュージアム

7/10『琵琶で弾き語る 昔話 怖い話 不思議話』、無事終了致しました。 集客不安でしたが、暑い中多くのお客様に来て頂き、ほんとうにありがとうございましたm(_ _)m

 

上野の森美術館でのライヴ、琵琶デュオのレコーディングで新作、準新作の演奏が続いた中、今回のライヴもほぼ新作、準新作。途中、後藤は札幌に麻生八咫・子八咫さんのサイレント映画伴奏に行ったりもしてて、どうなることかと思いましたが無事乗り切れた…と思っております。

 

まずは今昔物語から二題。古典芸能でお馴染み、“娘道成寺”の元になった「女が執念から大蛇となる話」は前半は美坊主の災難的にくだけた感じで、女が大蛇になってから後は原文を活かしシリアスにやってみました。節付けは古典を中心に、旋法を諸々変化させる琵琶デュオならではの手法です。「欲心から娘を鬼に喰われる話」は短編ですので、節付けもエキゾティックな旋法を使用。文言は原文の言い回しの面白さと現代語との対比で編集。夜這い、交通、という言葉の使われ方が今では逆に新鮮に感じられました。

 

「幽霊」は唯一の後藤オリジナルで、2000年あたりからソロで演奏してましたが、女性メインが良かろうと思っていた曲で、水島さん中心に歌ってもらいました。芝居小屋の楽屋などの幽霊の話はよく聞きますが、それは恐いものではなく芸能関連の人の護り神ですよ、という内容です。

久々だったので一部分、ぼくのコーラス、音程怪しかったです(^o^;

後半は昨年の上野の森美術館ライヴでやった「鬼になった男」。

「牡丹灯籠」も収録されている『伽婢子 (おとぎぼうこ) 』という説話集から。

悪夢を見てるようで、しかしどこかマヌケなお話。途中、変な仏像が踊り出したり、主人公の孫太郎が鬼にいたぶられる場面あたりは演奏していてもいつも面白いと思います。

 

先に触れましたように各演題、初演、準新作ばかりでしたのでまだ至らない部分も多かったと思いますがまたさらに練り上げて再演したいと思っております。また宜しくお願い申し上げます!


2016年6月11日(土)@国立No TRUNKS

6月11日 (土) は国立のジャズ・バー、NO TRUNKSで三回目のライヴ。

 

さて琵琶デュオのNO TRUNKSでのライヴは3度目。この日はフリー・ジャズの元祖的ミュージシャン、オーネット・コールマンの一周忌。ぼくも相当聞いて原稿も書いたこともある大好きなミュージシャン、追悼の意味も込めてオーネットの曲も2曲演奏しました。

 

ひとつは中森明菜をイメージした詞をつけて琵琶歌謡化した「ロンリー・ウーマン」。ぼくのソロ時代のアルバム『恋して眠れ~琵琶歌謡、琵琶語り』に収録したのが最初です。オーネットの演奏は深いブルーズ感覚に溢れたものですが、その感覚はどう転んでも出せませんので、原曲の哀愁を帯びたメロディを歌謡的に解釈して展開しました。琵琶デュオになってからも大事なレパートリーになっています。

 

もう1曲は「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」。オーネット・コールマンが“プライム・タイム”という本人のアルト・サックスの他エレキ・ギター×2、エレキ・ベース×2、ドラムズ×2という大きな編成 (楽器の数は時によって変化) によるグループのメイン・レパートリーにしていた曲です。琵琶2面でのカヴァですのでエレキ・ギター×2のちゃかちゃかしたファンキーな感覚の再現?を中心に、愛嬌のある、ある意味童謡的なメロディーは声でやってみました…(^o^;

 

2曲ともジャズ・ファンの方からすると何じゃこりゃ、みたいな部分も大いにあったと思いますが、供養ということで宜しくお願い申し上げますm(_ _)m

 

 琵琶本来の曲は「仏は常に」の日米神仏習合ヴァージョン、「那須与一」、「逢瀬」、4月の上野の森美術館で初披露した「雨夜の皇子」をお送りしました。「仏は常に」以外は新しいCDにも入りますのでどうかお楽しみに(´▽`)ノ

 

オーネット・コールマンの命日に演奏、というある意味法事的ライヴでもありました。法事というのは普段あまり会えない人とも会うことの多い場。今回は大学の和楽器サークル時代の同窓氏や先輩、上野の森美術館ライヴ初回に出ていただいたミュージシャンの方々、熊本からのお客様…と懐かしいお顔も多く拝見しました。そして常連のお客様、詩吟関連の方、NO TRUNKS常連のお客様と大勢来て頂き本当にありがたかったです。村上さん、今回も大変お世話になりました!

 

以下はツィッターに投稿した文章のコピーです。

 

『大学の三曲会 (和楽器のサークル) の先輩、同窓にも来て頂き。同窓のお二人は当時尺八と篠笛。琵琶と和管楽器の曲など当時武満徹作品くらいしかなく、武満作品やるのは嫌だったのでデュオ曲を作り定期演奏会でやった。無謀だったが今の演奏活動の原点である(´▽`)ノ』

 

 『その大学の三曲会時代、聞いてた音楽はほぼジャズとラテン。昨日はオーネット・コールマンの命日でNO TRUNKSでも琵琶デュオライヴ以外はオーネット特集。大学時代聞きまくったしレコード買ってたのはNO TRUNKSマスターが店長だった高円寺の店なのだ』

 


2016年4月30日(土)@上野の森美術館ライブ

琵琶デュオ恒例、上野の森美術館ライヴ、これまでいちばんお客さまにも来て頂きました。

連休の最中にもかかわらず、本当にありがとうございました。

「仏は常に」、弟子さんの初舞台。始めて数ヶ月の方、何年もやっている方…それぞれ自分の出来ることをしっかりやろう、と何回も合わせ稽古を実施。まあ、琵琶デュオ含め9人、クラシックの合奏ではありませんからキッチリ合うことは無いのが前提 (笑) 。琵琶の “ウォール・オヴ・サウンド” 的ユルさで無事乗り切れたと思います。

 

構成は正派薩摩琵琶の伝統的な弾法、節付けを中心に朗詠的節廻しを前後に配したもの。ちゃんと “古典”してますからね(´▽`)ノ

弟子の皆さん、他の手伝いもやって頂いた上での演奏、本当にありがとうございました!

上野の森にちなんだ演目を何か、ということで「彰義隊」を初披露。明治時代に書かれた池邊義象の「彰義隊」(これもいまや “古典”の部類でしょうw) の文言をベースに琵琶デュオ的解説 (朗読ではありません) や歌詞も足して何とか伝わりやすく、と工夫してみました。

節付け、弾法は当然正派薩摩琵琶のそれが基準…ですが今回の目玉は何と言っても、当サイトでもおなじみ、詩吟の吟亮流三代目宗家=鈴木吟亮氏にご参加頂いたことです。

 

全体の〆の部分の漢詩をみごとに吟じて頂きまさに場が締まりました。本当にありがとうございました!詩吟てカッコいいんですねえ、との御意見を若い方からいくつか伺いましたよ(´▽`)。琵琶の伴奏による詩吟、昨年から地道に続けて来ましたがその成果をお伝えできたとは思います。詩吟+琵琶ではもう1曲「静御前」も披露させて頂きました。

 

 

上野の森美術館ライヴ恒例の新作は「雨夜の皇子」。後藤が小学校5年まで暮らした熊本市西部に伝わる民話をもとに再構成。

光孝天皇の第四子 (四宮) は盲目だったので、琵琶を持たされ内裏を追われ…着いたところが今の熊本市の西の外れ。

都を恋しがって毎晩琵琶を弾き歌い村人には気味悪がられますが、日向の国から琵琶法師を呼んで貰い交流して…最後には村人相手に日向の国の琵琶法師と一緒にライヴを…という展開でした (笑)。

 

雨夜の皇子が住んでいた場所を“琵琶崎”、日向の国の琵琶法師が住んだ場所を“日向崎”と呼ぶようになったというお話で、琵琶崎は残念ながら地名として最近消されましたが (昭和41年の地図には掲載)、日向崎はまだ残っています。

石神山が近くにあり、雨夜の皇子の供養は石を積んで行ったことから石神山も何か関連があるに違いないと、石神山を歌詞にも加えましたがこれは後藤の創造ですw 公式な由緒は写真をご覧下さい( ̄∇ ̄)

「雨夜の皇子」はこれから録音するCDにもっと練り込んで収録予定。どうかご期待下さい!

 

熊本は予測もつかなかった大地震に見舞われ大変なことになりました。

上野の森美術館ライヴの後、大分での仕事経由で帰省。

実家はかなり酷かったですが住んでくれている友人のお陰で寝泊まりは可能、本当に感謝しております。

石神山の石神神社は仁王像他が倒壊、良く散歩したあたりの寺も山門が倒壊。震源地がもっと深刻なのは言うまでもありません。

今回は実家の片付けで精一杯でしたが、今後、何が出来るかは真剣に考えます。

ライヴの「雨夜の皇子」の途中、日向の琵琶弾きが唱えたお経は“妙法蓮華経観音菩薩普門品”、いわゆる観音経の一部で、九州の琵琶法師は土地の神様を鎮める地神経の中でもやったりしていました。観音さんの力を念ずれば災害も消え失せる…という部分とそれを応用しアレンジしたものでした。せめてもの供養、復興への祈りですm(_ _)m

 

 

また鈴木吟亮氏の吟亮流吟風様からは後藤の母親が入所している施設宛に義援金を頂きました。本当にありがとうございました。


2016年3月5日(土)@獨協大学 活弁伴奏

以前、浅草・木馬亭で麻生八咫、子八咫さんのサイレント映画の伴奏に参加したことをお知らせしました。それに続き今回も麻生さん親子のサイレント映画の伴奏です。 

 

映画は木馬亭の時と同じ、八咫さんが弁士を務める片岡千恵蔵主演の「瞼の母」。しかし今回の伴奏は琵琶デュオで参加。

さらに、地唄箏曲家の竹澤悦子さんにも三味線と胡弓で御参加頂きました。

 

水島さんはサイレント映画伴奏は初めて。DVD見ながら映像とのタイミングを測って、現場のリハーサルで弁士との語りとのタイミングを測って…という手順ですが、初めてにしては伴奏のツボをうまく押さえることが出来たようです。水島さん参加のおかげでぼくも余裕ができ、ギターも部分的に使うことができました。

 

竹澤さんは地唄箏曲から他ジャンルとのセッション、現代音楽までと幅広い活動をなさっている演奏家。サイレント映画の伴奏は何回かお願いしたことがあり、今回もじつに的確な演奏をして頂きました。改めてその実力に感じ入った次第です。

 

子八咫さんはチャップリンの「冒険」の弁士を。若い女性弁士は皆無、はじけた語り口が映画の面白さをさらに際立たせていました。

そのうち水島さんと、若手女性弁士×若手女性楽士、的にやっていただきたいものです。

 

懇親会ではお客様とも話が出来ましたが、弁士・映画・音楽が自然に一体化していて気付いたら和楽器の生演奏だった…とのコメントも頂きました。サイレント映画の楽士としては、ああ、今日の伴奏は邪魔にならず存在感も発揮できたんだな、とわかりひじょうに嬉しかった!

 

サイレント映画の時代劇はいい内容のものが他にもたくさんあり、また是非伴奏をやらせて頂きたいものです。


2016年2月3日(水)新しい琵琶がやってきました!


演奏では、琵琶を始めた30数年前時に作った楽器をずっと使ってきました (写真向こう側) 。一時、中古を買って併用しましたが、ここ6年はまた元の楽器ばかり使用。また、最近撥を30センチ幅の大きいものも使用するようになり、楽器にも通常の倍の負担がかかるよようになりました。薩摩琵琶は撥で胴体を叩きますので、その部分の凹みが激しくなって来たわけです (古い琵琶では凹みの果てに穴があいているものも!)。

お弟子さんも琵琶を作ったりして、自分ももう一面欲しいなあー、と思ってたところ…あるお弟子さんから、殆ど弾かずにいるという琵琶を一面、なんと譲って頂きました(写真手前) ! 20数年前のもので全て桑材、若干今までのより大きく重く、低音部の豊かな響きと、4弦目 (ギターと逆で太い方から数える) の鋭い響きのバランスがいい感じです。


今まで二面しか持っていなく (演奏家としては少ない方です。中古の一面は貸し出してます) 、先に触れたように常に弾いている楽器への負担も大きくなっていましたので、こんなに有り難く嬉しいことはありません。まさに感謝感激雨霰、です。

開放弦、各柱 (フレット) のサワリを、頂いてからほぼ毎日調節して、さらに良く鳴るようになってきました。今までの楽器とキャラクターも違うので、題材によっての使い分けも今後出来るようになると思われ楽しみです。そのうちお披露目出来ると思いますので、宜しくお願い致します!

2015年12月11日(土)@国立 NO TRUNKS


国立のジャズ・バー、NO TRUNKS は妥協を許さない日本のジャズのライヴから、後藤が後藤敏章君とやらせて頂いている戦前ジャズを聞く会、あるいは音楽通の方が次々音源をかける会などリスナー主体の企画、さらにはお客さんが好きな音源を持ち寄ってかける "NO TRUNKS お盆・年末紅白歌合戦" など様々な企画を行っています。基本はジャズですが、音楽的には多方向性のお店、バーというより酒場放浪記と言った方が?よいかもしれません(笑)。

7月に演奏させて頂き今回は二回目。ワールド系はじめ、海外ポピュラー音楽ファンの方には、こちらの音楽的努力不足もあり、なかなか琵琶は聞いて頂けないのですが、前回に引き続きお店の常連の方に来て頂いたのは嬉しかったです。ありがとうございました!偶然みえたお客さまもふくめ、最後にはほぼ一杯、安心しました(^.^)。

今回は「信徳丸~呪いの六寸釘打ちの場」、年末なのでリラックスしたw「桃太郎」がここでは初披露。やはり前回の「木曽最期」や今回の「信徳丸」、ディープな「五木の子守唄」の聞こえが良いようです。来年は長物の古典語りをやってみたいですね。

村上さんお世話になりました、また宜しくお願い致します!

2015年12月5日(土)@浅草 アミューズホール「戦争と琵琶」


今年、地道に続けて来ました『戦争と琵琶』、三回目は今年の集大成ということで浅草のアミューズミュージアムで行いました。

コンセプトはライヴ情報、facebook、Twitter他でさんざんアピールしてきましたので繰り返しません。

内容的には、ゲストで来て頂いた辻田真佐憲氏の解説がとにかく簡潔で分かりやすく、琵琶デュオも演奏に専念出来、スッキリした現場になりました。辻田さん、ほんとうにありがとうございました!またほぼ予定した数のお客様にもおいでいただき、こちらもほんとうにありがたかったです。会場も琵琶にぴったり、生音・生声で充分、スタッフの皆様の "プロ" なフォロウに助けられ、最後までスムースに進みました。

今回の企画だけで戦前の琵琶楽全体を網羅出来るわけではありませんし、もちろん、プロパガンダ的作品ばかりがやられてたわけではなく、むしろ、演奏会記録では「城山」他、当時のいわゆる "古典" の演奏が多かったという統計があります (平成23年度科学研究費助成事業「近代琵琶楽の成立と展開」水島結子執筆分より)。
そういうことは我々も百も承知、そんな中、今回は "プロパガンダと琵琶" の切り口を主軸に演目他、内容を決めたわけです。当日配付資料にも琵琶新聞からの、例えば、日本琵琶楽協会の創始者となった琵琶弾奏家の "プロパガンダへの意気込み的檄文" を掲載しました。

日本の芸能の近代史は、未だきちんとふりかえられてません。一度きちんとやっておかないと、妙な文脈の中で、例えば今回の「特別攻撃隊」などが再評価されたりするとなかなか危ういものがあります。

その「特別攻撃隊」、構成その他、じつに工夫が凝らされた "優れた作品" であることは演奏してみて (今回で二度目) 充分感じました。朗読を挿入したのは琵琶デュオが附加したアイデアではなく、演劇人であった作詞者・武田正憲 (戦後も伊藤大輔監督作品他、いくつかの映画に出演) のセンスでしょう。

琵琶弾き語りと朗読のジョイントは、最近の新しい試みのように言われることもありあちこちでやられてますが (琵琶デュオも時々)、大平洋戦争時、当時の先鋭的な題材を演奏するのに既に用いられていたのが面白いところでしょうか。

今年は戦後70年ということでの企画でもありましたが、今後も地道に近代琵琶の便秘状態 (他に例えはないのかw) の部分を解消させて行きたいと思います。

演奏曲目…「蓬莱山」 (薩摩琵琶古歌)、「常陸丸」(池邊義象 作詞) 、「特別攻撃隊」(武田正憲 作詞)

2015年11月21日(土)@吟亮流 詩吟85周年大会

詩吟の吟亮流、初代宗家は琵琶の名人でもありました。錦心流の創始者、永田錦心の高弟でしたが、その芸風は薩摩琵琶正派の特徴も多く吸収した独自のもの。残された録音を聞いてもじつにいろいろな発見があり、琵琶演奏家としてはわくわくします(^-^)。


初代宗家のルーツが琵琶であった、ということから現在の三代目宗家も琵琶デュオの教室に琵琶を習いに来られるようになりました。

そして後藤も母親に小さい頃、詩吟の手解きを受けていて(母親の流派も吟亮流と同系統だった!) 、自分のルーツでもありますから吟亮流吟風会に入門。何か交換留学的状態になっている訳です(笑)。また、水島も吟亮流に入門、精進中という(^.^)。


そんなご縁で、今回は吟亮流吟風会の創立八十五周年記念大会にゲストで呼んで頂きました。


大事な仕事のひとつは、琵琶デュオにとっては詩吟の先輩に当たる会員の方の伴奏。もちろん薩摩琵琶の語りの中に詩吟が挿入されていることは多く (いわゆる詩吟と薩摩琵琶の詩吟はかなり違うとはいえ)、弾き語りの中では理解してますが伴奏は…詩吟の方々は尺八・琴の伴奏で歌われてる事が多いし…と不安だらけ。


諸々しっかり準備して望みましたがその甲斐はあったようです。水島は「春暁」(孟浩然 作)、「絶句」 (杜甫 作) の二題を伴奏。調子の高い琵琶の澄んだ音色と、歌伴的に弾き過ぎない間合いが詩吟ともいいコントラストになっていました。


後藤は超先輩の先生が吟じられる「平忠度」(藤川千秋 作) を伴奏。詩吟としてはかなり高度、琵琶で言う変調の節もあるので、伴奏の音程は外せない。前の晩に音を全て琵琶譜に直して、あとは歌詞の状況を支えるような相の手を、その時の雰囲気で入れようと決めて臨みましたが上手く行った、と断言したい(笑)。吟じられた先輩の会員さんからも伴奏気持ち良すぎ、的コメントを頂きありがたかったです。


今回の伴奏、ある意味仕事として依頼して頂いたので "勉強になりました" とは言ってはいけませんが、尺八・琴伴奏とは違うニュアンスはもっともっと伸ばせる、と確実に思いました。詩吟、こちらは伴奏していて、門下生としてじつに勉強になりました(^-^)/


祝宴の部ではめでたい「蓬莱山」、「那須与一」のメドレーを演奏。「那須与一」は母親の詩吟の会でも詩吟と琵琶の共演で演奏したので何か懐かしかったです。


祝宴のトリは三代目宗家がドラムズ、琵琶デュオに尺八の高橋慧山先生、途中からは河野正明先生も加わってのセッション。しかも詩吟で最初に習う「いろは歌」をアダプトしての演奏!バンド詩吟(^o^)/大変盛り上がって終わりました、またやりましょう!


ともあれ、吟亮流吟風会八十五周年、ほんとうにおめでとうございました!先生方、今後とも宜しくお願い申し上げます!



2015年11月15日(日)神楽坂まち舞台


昨年も呼んで頂いた『神楽坂まち舞台~大江戸めぐり』。神楽坂一帯でさまざまな伝統芸能のパフォーマンスが繰り広げられる、ストリート感覚あふれる企画です。

今年は "神楽坂楽座~講釈場" に出演。毘沙門天善國寺の境内に再現された講釈場で、さまざまな語り芸を楽しんで頂こうと言う、まさに語りものの原点に立ち返った内容。琵琶デュオの他、講談、義太夫、新内の皆さんが出演されました。

琵琶デュオは「信徳丸~呪いの六寸釘打ちの場~」を演奏。曲解説MCも節をつけ、ワン・ステージ全て語りの雰囲気が伝わるように今回は工夫。場の雰囲気はとにかくピッタリ、二回目はお客様も大勢でしたので、演奏もガンガン跳ばしました(笑)。

お馴染みさんにも聞きに来て頂きましたが、ほとんど初めての方だったと思います。Twitterでも面白かったと投稿された方が何人かいらっしゃったり、CD注文も入ったりと好評だったようなので、工夫してやった甲斐がありました(^-^)/

夕方は昨年同様 "街角ライヴ" で一回演奏。衣装も洋服に替え「うたえやうたえ」「五木の子守唄」「波の下にも」を。こちらも盛況でした(^-^)

天気が回復しほんとに良かったです。脚をとめて聞いていただいた皆様、ほんとうにありがとうございました!また芸能への愛情あふれる場を作って下さった古典空間の皆様、ありがとうございました、お疲れ様でした!

2015年11月8日(日)岡山芸術祭&LIVE


後藤は岡山で何度か演奏経験がありますが、琵琶デュオでは初。ライヴ他でお世話になっている、渋谷の音楽バー国境の南のお客さんで、地元岡山でバンド活動をなさっているフランキー藤野さんの御尽力で実現しました。

午後は真言宗・西弘院さんの本堂で「琵琶で弾き語る昔話・面白話・不思議話」を。5月の上野の森美術館での内容を若干マイナー・チェンジしたものになりました。

西弘院さんの本堂は九州の盲僧琵琶 (天台宗系が多かったので宗派は異なります) の人々の住まいを思い出させるような祭壇、素朴で土臭い雰囲気は琵琶にまさにぴったりという感じ。

「うたえやうたえ」で始まり「ねずみ経」、楽器の説明他聞いていただき「信徳丸・呪いの六寸釘打ちの場」を。このあたりは演奏していてもお寺の雰囲気に後押しされ、つい熱が入ります(^.^)

「仏は常に~Let your light shine on me」の日米神仏習合ナンバー(笑)はお世話になったフランキー藤野さんのギターとセッション。ブルーズ~ファンキーなニュアンスがじつに強まってひじょうに楽しかったです(^-^)/ ありがとうございました!

ラストは「桃太郎」。上野の森美術館での演奏が初演でしたが、最近また再演開始。桃太郎の地元・岡山でやらずにどこでやる、という感じで満を持しての登場!琵琶デュオ版はストーリーや登場人物をいじってあるので、もしかして "それ違う!" と突っ込まれるのでは、と心配でしたが、かなり喜んでいただきヨカッタヨカッタ。

「桃太郎」には住職が操られる神事の楽器?"鳴り釜" が特別参加。吉備津神社が有名ですが、鬼に関連した謂れを持つ釜なので、鬼の登場シーンで壮大に鳴り響かせて頂きました。住職もバンド活動者、鬼がやられるまさにその場面でキッチリ収めて頂き、物語のイメージが倍加したと思います。

釜で米を蒸したときに出る音で、もちろん聞く?のは初めて。異界・冥界がなんたらという抽象的なものではなく、この響きがプログレにダイレクトに人の気持ちをかっさらったであろうことは容易に想像出来ました。ありがとうございました!

ご高齢のお客様が多かったのですが、素朴な信仰心、素直に芸能を楽しまれる雰囲気がひしひし伝わって来ました。小学校5年まで住んだ地域に日常的にあった風景で、そこにここまで年取った自分が演奏しに行っているような錯覚にもとらわれ懐かしかったです。
水島さんはお婆ちゃん方数人に終演後囲まれ、"辨天さんじゃ" と握手ぜめ、膝撫でぜめにw。こういうのがねえー、いいんですよ!

夜はカフェ・SAYURIさんで。こちらは落ち着いたカフェ空間、「うたえやうたえ~五木の子守唄」「祇園精舎」「信徳丸・呪いの六寸釘打ち」「ロンリー・ウーマン」「桃太郎」、通常ライヴの感じで。降りだした雨にもかかわらず満席、ありがとうございました!

香川からわざわざおいでいただいたお客様もおられ、ほんとうにありがたかったです。岡山・香川、地元TV観てるとひと続き的なんですねえ。瀬戸内、四国ええなあー。

帰る直前、桃太郎さんたちとしっかり写真も撮ってきました(^o^)v

2015年11月1日(日)吉祥寺 辨天琵琶会


ちょっと遅くなりましたが…。

11月1日 (日) は、平家琵琶の鈴木まどかさんが継続してやられている「一部平家」と、鈴木さんと琵琶デュオで企画している「辨天琵琶会」の合同企画 "源氏のつわもの、源氏のもののふ" の演奏会でした。

「一部平家」は『平家物語』全てを少しずつ、最終的には全て語る、という企画。琵琶による『平家物語』、すなわち「平家琵琶=平曲」の全てを伝承されている鈴木さんならではの試みです。そこに今回は辨天琵琶会特有の薩摩琵琶、平家琵琶の聞き比べの要素を加えた会となりました。

鈴木さんは「宇治川」を、琵琶デュオは「木曽最期 (抜粋) 」を。物語の流れとしては間に「河原合戦」をはさんで続いている場面。また、源氏方の武将が主人公の話ですので、"源氏のもののふ、源氏のつわもの" というタイトルにした次第。

幕府の式楽、あるいは写経、お茶の席での環境音楽としての役割もあった平曲。淡々とした中の細やかな表現は物語琵琶の成熟の極み的な感じもします。方や、薩摩盲僧から薩摩武士、町人まで広がり、明治以後は思想性も含んだ芸能的押しの強さも持った薩摩琵琶。

今回は平家物語当時の武将のメンタリティにスポットをあてた題材でしたので、より二種類の琵琶楽の違いが伝わったのではないかと思います。最後には和歌の節回しの聞き比べも楽しんで頂きました。

2015年9月30日(水)吉祥寺 光専寺


9月30日 (水) は昨年も同じ時期に演奏させて頂いた、吉祥寺・光専寺さんで『仏を奏でる、祈りを奏でる、恋を奏でる~お寺でライヴ』開催。

スケジュール的にもバタバタでしたので集客が不安だったのですが去年と同じく大勢来ていただきほんとうにありがたかったです。

「般若心経」「仏は常に (新ヴァージョン) 」「道行旅路の嫁入 (忠臣蔵 八段目より) 」「百人一首より抜粋」、久々に「信徳丸より~呪いの六寸釘打ちの場」を演奏。

「仏は常に (新ヴァージョン) 」は4つの句、それぞれ違った旋法で、しかし音の動きはどこかに共通項を持たせる、というアイデアでの節付け。薩摩琵琶は旋法音楽ですのでその面白さや、旋法の違いによる雰囲気の変化が伝われば良かったと思ってます。「百人一首より抜粋」も、こちらは陰・陽音階中心でしたが似たようなアプローチでした。

題材も柔らか目のものが多かったですから、自然に力も抜け、音と音の間の空間の面白さも活かせたかと思います。そして最後の「六寸釘打ちの場」で大爆発、という(笑)。

快く演奏させて頂いた御住職、ご家族にも感謝です。お寺には四匹猫さんがおられ(笑)、そのうちの一匹・黒猫デビル君が受付・接客で大活躍してくれました。お客様みえるたびにご挨拶…(笑)。時々楽屋の様子も見に来てくれ、諸々お世話になりました!

クロアチア在住の日本人シェフで琵琶デュオファンの方もちょうど帰国されており、奥さまと一緒にご来場、学習院の講義にも見学にみえ、琵琶デュオを堪能して頂いたようですw。終演後の打ち上げもいろいろ深い話が出来、有意義でした。

後藤は、昼は和光大学「日本の芸能2」の講義もあり昼夜連続、やはり体力は基本、こなせてほっとしております。

演奏写真は山崎智彦さんです。

2015年9月27日.28(日、月)静岡美術館・学習院大学


伊豆や浜松も含め静岡ではよく演奏をしています。

今回、9月27日 (日) は、静岡市美術館で開催された『フィラデルフィア美術館 浮世絵名品展~春信一番!写楽二番!』の中のミュージアム・コンサートへの出演。展示された浮世絵の中の鈴木春信作 「やつし 那須与一」、初代歌川広重作「忠臣蔵 八段目」に関連した題材を依頼されての演奏でした。

忠臣蔵は琵琶の中にこの題材がありませんでしたので、清元節の歌詞をお借りして節づけした「道行旅路の嫁入」と平家物語の「那須与一」、この二題を中心に、琵琶デュオお馴染みの「うたえやうたえ」「逢瀬」を演奏しました。

7月からチケット発売、すぐに売り切れたそうでお客様も満員、ありがたかったです。帰り、駅に向かう道でお客様に話しかけられたりもw。

いつも琵琶デュオを聞きに来て頂くお客様に浮世絵の研究者の方がおられて、少しばかり知識を頂いてたので展示も興味深く観ることができました。皆さんが浮世絵にハマる気持ちも良く分かった気がします。

写真は「やつし那須与一」と「忠臣蔵 八段目」。扇の紙売の若衆にやつした那須与一、うしろの畑に茄子が植わってるのがオカシイ(^o^;)。

空き時間に懐かしい雰囲気満点の静岡おでん・甘味の店に。おでんももちろん美味しく、"昭和"の空気も味わって来ました。

あくる日、9月28日 (月) は学習院大学で毎年行っている日本の古典芸能の講義。今年から二限連続となりました。

「うたえやうたえ」「五木の子守唄」「木曽最期」の他、「祇園精舎」の体験、二限目は「桃太郎」も。もちろん楽器、歴史の話も加えましたが、最近明治維新~太平洋戦争までの琵琶のさまざまな側面もわかってきたので、ちょっと時間が足りない気もしています。

アンケートを読むと、琵琶のイメージがいい意味で大きく変わったというものが多く、短時間でも諸々伝わったようでひと安心。琵琶デュオ版「桃太郎」は衝撃的だったみたいです(笑)。

2015年9月15日(火)デモ・レコーディング


琵琶デュオのCD録音他で常にお世話になっている江戸前レコーディング・スタジオさんのセッティングで、琵琶バンド用のデモ・レコーディング。

いきなりバンド形式でやっても面白くないし、ただのコラボ、セッションでも無いので、様々な素材を録っておいてそして…というプロジェクトの第二段階あたりでしょうか。

水島さんも琵琶を持たずヴォーカルだけ入れたり、ぼくも様々な声・節、琵琶の手をランダムに録ったりと、アイデアをどんどん投入。来年に向けてですが、面白くなりますよw。乞うご期待!

2015年9月11.12日(金・土)@木馬亭 浅草活弁祭り


琵琶演奏で30年ほど前、ギャラを頂いての最初の仕事が弁士・麻生八咫さんの無声映画伴奏でした (当時は麻生さん、一人芝居もやられてたのでそちらの伴奏が先だったかもしれません) 。戦前、トーキーになるまでの映画はフィルムに音は入っておらず、弁士が語り物的に映画の台詞・説明を入れ、さらに楽士が生で音楽を付けていたのです。

映像、俳優の表情を見ながら、弁士の語りを聞きながら、音を半ば即興的に入れて行くのは実に楽しい。即興的とは言え、どの場面に入れるか、あるいはどういう旋法を使うかはおおよそ決めてのものです。伴奏人数が増えたらある程度決め事も作らなければいけませんが、いわゆる映画のサウンドトラックとは異なるもの。無声映画上演のアプローチは現在もいろいろあるようです。そんな中、ともかく、映画、弁士、音楽が三位一体となって "場" をうねらせるのが麻生さんの無声映画・活弁の面白さでしょう。

今回は片岡千恵蔵:主演、稲垣浩:監督、麻生八咫:弁士 による「瞼の母」、大河内伝次郎:主演、伊藤大輔:監督、麻生子八咫:弁士による「血煙高田馬場」、の二本を伴奏。

千恵蔵、ええ男です!艶っぽい表情、フィギアにしたいくらいのチャンバラ・シーンでの立ち姿…そして、さらに円熟味を増した麻生さんの語りをどう浮き上がらせるか、それを工夫しつつの演奏は緊張感もあり、普段の自分の演奏にも諸々還元できます。映画もしっかり堪能できるし、得な役割ですなあーw。

麻生子八咫さんは麻生さんの娘さん。デビュー公演でも伴奏をしました。今回は予定されていたチャップリンの映画が諸々の事情で上映出来なくなったため、「血煙高田馬場」で大爆発w。フィルムもチャンバラ・シーンしか残っていなので、ぼくも乱闘参加型弾きまくりで挑みました。チャンバラ・シーンの演奏って、画面よりやや速いスピードで弾かないと躍動感が出ないのです。そのために昔、筋トレやりましたからねえーw。

そのうち琵琶デュオで伴奏をやりたいものです。

2015年8月29日(土)晩夏の宴


東京港醸造[若松屋]さんの "どぶろく" 、日本伝統食文化協会さん提供の "江戸東京野菜" と共に薩摩琵琶を楽しんで頂こうという企画が『晩夏の宴』でした。場所は千駄ヶ谷の和食居酒屋 "がらり" さん。

若松屋さんは文化9年創業、明治維新前後には勝海舟、西郷隆盛らも訪れて密談を交わしたそうです。その後明治42年には一旦廃業となりますが、平成23年に復活、往年をしのんだ「江戸開城」という銘柄のどぶろくを醸造されています。

琵琶デュオ、そんな謂われにちなんで、薩摩藩で盛んに歌われ「君が代」の元になったとも謂われた (実際は違いますが) 「蓬莱山」、勝海舟が西郷隆盛追慕のために作った明治初期の薩摩琵琶の傑作「城山」、他に現在進行形琵琶のレパートリーとして「うたえやうたえ」「五木の子守唄」を演奏しました。

琵琶デュオはあまり他の音楽とのコラボはやりませんが、料理、お酒など全うく違うジャンルと共存出来る場はほんとうに楽しいです。

会場となった "がらり" さんは黒糖焼酎とオリジナルの味噌を使った料理が中心のお店 (ランチ営業もありますし、普通の料理も出ます) 。江戸東京野菜と味噌の取り合わせがじつに美味しかったですし、普通では手に入らない、アルコール度数の高い黒糖焼酎の品揃えは圧巻です。企画から諸々お世話になったZNEMの三好さん、ありがとうございました!

2015年7月24日(金)国立NO TRUNKS LIVE

7月24日 (金) は久々に音楽バーでの演奏でした。

国立のNO TRUNKS はジャズ中心の音楽バー。マスターの村上寛さんとは30年くらい前からお付き合いをさせて頂いてます。

最初は村上さんが店長をやられていた高円寺の輸入盤専門店DISC INN の客として。

その後しばらくしてその店でアルバイトをすることになり…その時、音楽ライターの仕事も紹介して頂きました。

バイトやめてからも、某雑誌のジャズ年間ベスト5を二人で担当した際、すべて日本のジャズを選ぶという大英断をしたり…。


長年村上さんが主宰されている "東京ニュー・ジャズ・フェスティヴァル" には琵琶×アルト・サックス×ドラムズのバンド「ARAFA」で出演させて頂いたこともありました。一時、渋さ知らズにも参加したり、ピアニストの板橋文夫さんと演奏出来たのも、こうした流れがあってのこと。現在はNO TRUNKS では二月に一度の割合で、後藤敏章くんと『国立戦前アフロ・アメリカン音楽同好会』という企画を続行中です。


そんないろいろと思い入れもあるNO TRUNKSでの初ライヴ。お客さんは皆、耳の肥えた方ばかりですので、いつもより緊張気味でした(笑)。


「うたえやうたえ」「般若心経」「逢瀬」「五木の子守唄」「トゥモロウ・ネヴァ・ノウズ」、休憩、「ロンリー・ウーマン」「木曽最期~祇園精舎」、アンコールで「レット・イット・シャイン・オン×仏は常に」。


琵琶の演奏として冷静にみると、なんじゃいこれは、というリストw 

ロック、ジャズのカヴァ2曲はこうしたポピュラー音楽系のお店では、とっかかりとしていつも演奏してる曲。

ただ、なんでも良いと言うわけではなく琵琶の特性とも相性の多い曲を選んでるつもりです。


「ロンリー・ウーマン」はつい最近亡くなったフリー・ジャズの元祖、オーネット・コールマンの名曲(アルバム『ジャズ来るべきもの』に収録) 。自分のソロ・アルバム『恋して眠れ~琵琶歌謡・琵琶語り』(2004年)に収録した曲で、歌詞は中森明菜をイメージして作り、原曲に漂う歌謡性を増幅させたとんでもない内容ですw。琵琶デュオでは初演奏となりました。


今回も先の後藤敏章くんがTwitterに嬉しい感想を投稿してくれたので、再録させて頂きます。


"3回めの琵琶デュオ。故オーネット・コールマンとビートルズのカバーも盛りあがったが、最後にお店のマスターの村上さんも言ってたように、平家物語などの古典が良かった。新鮮に入ってきた。"


"薩摩琵琶の音楽のかっこよさを伝える手段として、デュオという形式が有効だと確信してやられているんだろなと思う。古典をやるときでも、その音楽の本質(かっこいいところ)がどうやったら伝わるかと考えてる感は、門外漢でもひしひし感じられる。実際「うわ、この音かっこいい!」って何回も思った。"


"それは音楽以外のジャンルでもよくあるような、もっと気軽に古典聴いてもらおう、みたいな安易にハードル下げるのとは違う感じ。琵琶デュオの場合は、音楽をまずちゃんと聴く人対象ってハードルは設けてる、と俺は思う。"


古典の力がすごい、と言って頂くとほんとうに嬉しいですね。他の曲も伝統的手法の集積で成り立っていますので、そのあたりが伝わることは琵琶デュオ冥利?につきます。


お客様も一杯、御気遣いも沢山頂きました、ありがとうございました!村上さん、お世話になりました!またやらせて頂けるとのこと、次回はもっとコアな内容で行ってみようかと思います。


2015年7月15日(水)ミューズ音楽院公開講座


7月15日 (水) は代々木にあるポピュラー音楽系の専門学校、ミューズ音楽院で、琵琶デュオのレクチャー・ライヴでした。サイレント映画伴奏の仕事でご一緒した渡邉博海さんがこの学院の講師をやられているので実現。渡邉さんは録音、執筆他、様々な音楽関連の仕事をやられている他、ウードなど民族楽器の奏者でもあるのです。民族音楽系のレクチャー・ライヴを音楽院でずっと企画されていて、その流れで琵琶デュオも呼んで頂きました。

学院校舎内にはさすがポピュラー音楽系の専門学校、ぼくが若い頃から慣れ親しんだミュージシャンのポスターがあちこちに貼られています。懐かしい!

ライヴは「うたえやうたえ」「般若心経」「信徳丸~呪いの六寸釘打ちの場~」「逢瀬 (閑吟集より) 」「五木の子守り歌」など琵琶デュオ得意のレパートリーを中心に、薩摩琵琶の歴史、音楽特性などを解説。最近は明治維新~大平洋戦争あたりまでの琵琶のあり方、九州での盲僧琵琶のあり方、検校と盲僧の違い、なども注意して調べているので以前以上に話の内容も充実させられたと思います。

さすがポピュラー音楽系専門学校の企画、質問も突っ込んだものが多く、ひじょうに面白かった。こういうときに、師匠が楽理もみっちり教えてくれてたのが役立つ。自分でも諸々研究しておいてほんと、良かったと思います。演奏もfacebookほかのご意見を拝見すると、インパクトを感じていただいたようでほんとに良かったです。

琵琶は "語り" の要素と "音楽" の要素とが合体した総合芸能。"音楽" の要素の中にはシルクロードを経由して二本にやってきたという、壮大な歴史も。そうした要素を自然に引き出して、"語り" の要素と同居させて行ければと思います。

普段聞きに来ていただいているお客様にもご来場頂きました、ありがとうございました!渡邉さん、お世話になりました!


2015年5月9日(日)上野の森美術館ライブ


〈演奏後期的なコーナーをこのサイトでもやろうと思います。これは後藤のブログとダブりますが、とりあえず、試験的に。皆様、宜しくお願い申し上げます!〉


琵琶デュオ恒例の上野の森美術館ライヴ、5月9日 (土) に無事終了致しました!ある意味まだ連休の最中にもかかわらず、おこし頂いたお客様、本当にありがとうございました!

美術館の皆様にも設営などでお世話になり、今回はお弟子さんにも送迎、楽屋、受付周りをお手伝い頂いたり、写真も昨年の山崎智彦さんにお願い出来たり、本当に良かったです。チラシは大内弘子さん、着付けは森町章子さんとこちらもお馴染みの方々。皆様、重ね重ねありがとうございました!

予告ブログにも書きましたように、今回もほぼ新曲。早めの2月から仕込みましたので、本番はうまく力も抜けたようですw。「桃太郎」「下風のお供え」「ネズミ経」「鬼になった男」と日本の昔話、滑稽な話、面妖な話に題材は絞り込み。そのせいか琵琶や語り、歌の多様さも思いがけず引き出され、今までになく面白く聞いて頂いたようで安心しました(笑)。

デューク・エリントン、シドニー・ベシェ他、戦前のアフロ・アメリカン音楽を聞く企画をぼくとやっている後藤敏章君 (縁戚関係はありませんw) がツィッターでひじょうに的を得たライヴレポートを投稿してくれたので、ご本人の許可を得て再録させて頂きます(^-^)/。


「上野の森美術館での後藤幸浩&水島結子の琵琶デュオ終了。薩摩琵琶の弾き語りをここまでがっつり味わったのは初体験。物語が生き生き浮かぶよう工夫された演出と感情表現が新鮮だった。フォークやブルースのギターの弾き語りよりも、薩摩琵琶の弾き語りはドラマチックで激しくてエンタメで楽しい!」

「圧巻は第2部を丸々使った30分を超える大作「鬼になった男」。主人公のスノッブ野郎の孫太郎の悲劇を、ハラハラしながら追っていく快感。琵琶デュオのハードな演奏も冴えていた。オチは第1部の冒頭演目「桃太郎」で残した謎に繋げるという、周到なシナリオ。テレ朝サスペンス好きの後藤さんらしい笑」

「門外漢のかなりの戯言だが、思うに、演出とか感情表現とかエンタメだとか、その辺りはもともと薩摩琵琶にあったものだけど、そこを現代版に説得力あるかたちで伝承するぞってのがこの琵琶デュオの信念なんだろう。それを音楽的に具現化するうえで弾き語りデュオって形式も重要なポイントなのかも。」

後藤くんもぼくと同様、いろんな種類の音楽を聞いていて、そういう方にこういう感想を頂けるというのは嬉しいですね(^.^)

どの演目も必ず古典的な琵琶の手 (奏法) 、語り・歌の節は軸としてあり、それと相性のいい他の音楽要素 (洋の東西問わず) を隣り合わせる、さらに、隣り合わせるために、もう一丁、その間に縁を取り持つ音楽要素を入れて膨らませる感じでしょうか。

お遊戯的、田舎芝居的雰囲気も盛り込んだんですが、何か、自分がドリフターズ、ひょっこりひょうたん島世代だというのを痛感しました(笑)。

アンコールでは「竹田の子守唄~五木の子守唄」を。昨年の「山椒太夫」のように一曲1.5時間というものではありませんので、再演は度々やりたいと思っております。その際は、皆様、また宜しくお願い申し上げます!(写真は全て山崎智彦氏)